ラオスでエコツーリズムを2021/08/31

はじめまして、エコロジックスタッフの森重千里と申します。
東南アジアのラオスという国でエコツーリズムを普及させるべく、現地でコーディネーターとして働く予定です。
今回はラオスへの渡航前に富士宮で研修に参加しました。そこで学んだことや私の夢について話をさせていただきます。

■人生初の富士山とその麓にあるエコロジック
富士宮での研修が決まってから、富士山を見ることが最初の楽しみでした。生まれて初めて見る富士山は思っていた何倍も壮大で、その麓で絶景の中に溶け込むグランピング施設。こんな素敵な環境で研修を受けられることに胸が高まりました。
グランピングの敷地内にエコロジックの事務所があります。スタッフと実際に会うのは初めてでしたが、みんな気さくでなんだか昔から知っているような気持ちになりました(笑)。それはスタッフの持つあたたかい雰囲気と自然豊かな環境がそうさせたのかもしれません。
ここでは代表を含めたスタッフ3名が働いています。まず驚いたのは、業務のマニュアルがないこと。テント内のセッティングもサービスも、その都度お客様に合わせたおもてなしをしています。これは豊富な海外経験で培われた適応能力の高いエコロジックだからこそ成し得るのだと思います。そして全員に共通しているのが、それぞれ夢を持っていること。自分の好きなことを仕事に取り込んでいて、かつ自分の夢を叶えるために働いている。忙しさの中でも生き生きと働く姿を隣で見ながら、私もこれからの人生こんな風に仕事をしていきたいと感じました。きっとここで私は成長出来る、背中を押してもらえる、そう確信しています。

■ラオスの手仕事文化を守りたい
ここで少し私自身の話を。私は今年の7月までJICA海外協力隊としてラオスで活動していました。多くの観光客が訪れるルアンパバーンという世界遺産の街で、村の職人さんたちと共に特産品開発やマーケティングの支援を行っていました。そんな最中、世界的なコロナウイルスの影響により観光客が皆無に。ラオスは特に手織りの織物が美しく、村の女性は観光客向けに織物を織って生計を立てていました。しかし売り先を失った多くの人が織ることをやめ、生きるために農業をせざるを得ない状況に。色とりどりの織物が並んでいた村はすっかり変わり果て、その時の光景と何とも言えない感情はきっとこの先忘れないと思います。こうして文化はなくなっていくのかと。
先祖代々受け継がれてきた素晴らしい文化を失くしてほしくない。そんな想いのもと私には何が出来るだろうと考えていたところ、自然文化を守る「エコツーリズム」という手段があることを知りました。

■エコツーリズムってなに?
そもそもエコツーリズムってなんだろう?自然を守るツアーかな?実はそんな状態から始まりました。結論から言うと、エコツーリズムとは「自然や文化を守るためのツール」です。エコツーリズムという手段を使って観光分野から地域の課題を解決していく、そんなイメージです。ツアーを通して参加者に自然や文化、あるいはその地の大切なものを伝え、それらの保護・保全に繋がる仕組みづくりをする。これは近年急速に観光開発が進むラオスにぴったりだと思いました。
受入れ側(=観光地)は自然文化を守ることができ、参加側(=観光客)は観光そのものを楽しむこと、さらにその体験が自然文化の保護に繋がる。あらゆる業界において「モノ(物)よりコト(体験)」と言われ始めて久しいですが、エコツーリズムはその最たるもののような気がしています。

■エコツーリズムにおいて大事な3つのこと

1. 地域の人が主体であること
2. 伝えたいメッセージを明確にすること
3. 知識や情報ではなくストーリーを伝えること

研修では実際に富士宮の街に出てツアーを体験しました。商店街でいくつかの店を訪れ、そこでは必ずお店の方が話をしてくださいました。それも店の歴史や商品の説明といった話ではなく、例えば以前外国人観光客を迎えた時のエピソードやご自身の仕事のやりがい、夢などです。会話の内容はお客さんに、つまりエコツーリズムを学ぼうとしている私に合わせてくれたものでした。やはりそこは皆さん接客のプロ。私が興味あるトピックに自然に誘導してくださったのだと、ツアーが終わってからようやく気付きました。ガイドによるテンプレートのような観光地紹介ではなく、地域の方々との「会話」が主体のツアー。地域の人が主役になるからこそ地域をより身近に感じ、体験や会話を通して彼らの想いを知ることが出来ました。
エコツーリズムの中でも私たちエコロジックが目指すのは、このように地域を巻き込んだエコツーリズム。地域の人がコミュニケーションを通じて、文字や写真だけでは伝えられないメッセージを伝えていくことが大切です。単なる観光ツアーではない、これがエコツーリズムのあるべき姿なのだと学びました。

■ラオスで出来ること
富士宮で多くのことを学び体験させてもらいました。すべてを真似出来れば話は早いのですが、もちろんそうはいきません。環境も文化も人柄も違うため、ラオスやその地域に合ったやり方を考えていく必要があります。海外で観光分野の仕事、私自身初めての挑戦に不安もありましたが、研修を終えて学びや課題がはっきりした今、ラオスでプロジェクトを進めていく楽しみと、その先に待っているラオスの未来への期待の方が大きくなりました。協力隊で培ったラオス人に溶け込む能力をフルに使って(笑)、現地の人々とラオスのために奮闘する日々が楽しみです。富士宮の商店街をお手本に、でもいつか富士宮を超える素敵なエコツーリズムをラオスで根付かせることが目標です。そしてラオスの人々には自分たちの自然や文化にもっと誇りを持って生きてほしいと思っています。

エコロジック 森重千里